8月8日(木) 窪川から黒潮町大方へ

ここからスタート
ここからスタート

5時出立

 

 朝飯は食べずに涼しい午前中にできるだけたくさん歩く,これが今回のへんろの基本姿勢となりました。国道56号線をひたすら南下するルートなので,暗くても道に迷うことは余りありません。

 

新しいへんろマーク
新しいへんろマーク

新しいへんろマーク

 

 今風にこったデザインのへんろマークに出くわしました。昨年までは見たことありません。なかなかポップなデザインで悪くはないのですが,たいていがこの向き,文字が90度横転してしまっています。デザイン80点,実用20

点といったところでしょうか。

廃屋の敷地の中へ
廃屋の敷地の中へ

へんろ道にあった廃屋

 

 前回大きな看板が出ていた「四国電力資材置き場」は看板が撤去されており,閉鎖されていました。そこから少し下ったところで,前回見落としたへんろ古道の入口に入りました。

 そこで行きついたのが廃屋,しかも公共施設のようでした。

「お遍路さんへ 右のトビラを開けてお通りください」

 と案内看板がありました。

へんろ休憩所
へんろ休憩所

お遍路さん休憩所

 

 へんろ道から国道に出たところに前回はなかった休憩所がありました。地元の建設会社の方が設置してくださったもののようでした。それがなんと至れり尽くせり,ウォータークーラーまで備えてありました。

 ここで第1回目の朝食,昨夜スーパーで買ったあんパンを食べました。歩き始めてまだ,6kmとちょっと,後から思えば調子がよかったのはここまででした。

 歩き慣れていないということもあったでしょう。暑さになれていないということもあったでしょう。疲れが体にどんどんたまっていくようでした。

セルフで撮影
セルフで撮影

ここからどれくらい?

 

 荷稲のバス停で休憩していたとき,中学生の女の子がバス停に来ました。

「中学生? なんの部活に入ってるの?」

「吹奏楽です」

「ここから,どれくらいあるの」

 女の子は聞き間違えたようです。

「朝は1時間に1本,ぐらい? ・・・」

 わたしが聞きたかったことはちがいます。

「なんぐらいで学校に着くの?」

「あっ,15分ぐらいです」

 女の子がバスに乗って行ってしまった後,わたしは,昨日買っておいたクリームパンを食べました。これが朝食パート2です。

熊井隧道
熊井隧道

熊井隧道

 

 手彫り感覚の残っている,不思議な雰囲気のあるトンネルです。

「トンネルっちゅうもんは,入口は大きいけど,出口はちっちゃいもんなんだな」

 そんなことを真剣にいったお年寄りがいたそうです。確かにその通りです。

 

スリーエフで氷あずき
スリーエフで氷あずき

スリーエフでお茶をいただきました。

 

 暑い,疲れた。そういうときはかき氷やアイスクリームがいちばんです。わたしは酒飲みですが,ビールは候補にあがりません。ビールが似合うのは,適度に暑いとき,ちょっと疲れたときなんだとつくづく思いました。こんなに暑いときは,ビールは要りません。

 コンビニのスリーエフで氷あずきを買ったら,

「お接待です」

 と,お茶を一本いただきました。

鹿島が浦展望公園
鹿島が浦展望公園

失敗

 

 アセモができてしまいました。内股に痛みを感じたときにはすでに広がっていました。内股にできると,一歩を踏み出す度に痛みが走ります。この痛みで歩くことが一気に苦痛になってしまいます。大失敗でした。

 前回や前々回の教訓を忘れていました。

 シャツをズボンの中井入れていると,上半身の汗がシャツを伝わってパンツの中に入ってきてしまいます。ぞの汗が内股をずっと刺激するという状況を作ってしまいます。そしてアセモができます。

 そのことに気がついたのは,5回目のへんろの時でした。

 そうならないために,シャツや白衣はきちんと調えないようにし,前をはだけた状態にしておきます。汗がパンツの中にしみこまないようにし,また,汗が出ても乾きやすいようにしておくのです。見かけからすると,たいへんだらしない着方です。それでも背に腹は代えられません。

 それを忘れていました。気がついたら,ズボンとパンツは汗で水浸し状態でした。アセモ育成に最高条件で歩いていたといっていいでしょう。

 

 結局この公園,「鹿島が浦展望公園」で2時間近く四阿で休憩しました。ズボンも下着も着替えて,汗で濡れた衣服を乾かしました。

伊の岬公園
伊の岬公園

伊の岬公園

 

 海風が気持ちのいい公園でした。ここでも汗にまみれた白衣やシャツを乾かしました。宿まではもうあまり距離を残していません。ゆっくり休むことにしました。

 

 公園を出て約1時間,「うみのおおむかえ」という変わった名前の駅前で休憩しました。「海の王迎え」という意味だと思われます。ここで「海の王」を迎えるのでしょう。

 海の王,とはいったい誰? このあたりはホエールウォッチングで有名のようですが,王はクジラなんでしょうか。

 

民宿日の出

 

 ”うみのおおむかえ”で休憩していたら,民宿から電話がありました。

「来てますか?」

「はい,来てます。30分ぐらいで着くと思います」

 歩きだしたら5分で着いてしまいました。