おにぎりがのどを通らない
朝4時に出立。日の出前だが,市街地の明かりを頼りに歩きました。懐中電灯もスタンバイしましたが,活躍の場はありませんでした。
屋島の上りはへんろころがしです。急な石畳が延々と続きます。斜度が半端ではないうえに,途中平坦なところがまったくありません。
ふもとから山頂まで1km程度だと思いますが,わたしは1時間近くかかりました。
途中,コンビニで買ったおにぎりを食べようと腰をおろして休憩しました。ところがいざ食べようとするとおにぎりがのどに入っていきません。身体が熱くなっていたためか,つばが思うように出てきません。大きくもないおにぎりですが,半分食べるのがやっとでした。
残り半分はのぼりきったあと,屋島寺の境内で水といっしょに流し込みました。
八栗ケーブル駅前の食堂
かき氷がおいしかった。この店にはエアコンがありません。しかし,自然の風が心地よく吹いてきます。かき氷は冷房ではなくてやわらな風が合う食べ物のようです。風といっしょにおいしく食べました。
ここのおばちゃんは話し好きです。
「無理したらアカンよ。高知の海岸では夏に若いお遍路さん水が無くてが死んでいるそうだ」
「お大師さまだって,無理に来いとは言うとらんよ。ケーブルカーに乗っていきんさい」
そして店を出るときは,
「これをタオルに包んで首に巻いて行きなさい」
そう言って,保冷剤を渡してくれました。これがことのほか気持ちよかった。おばちゃんの忠告には逆らって,ケーブルカーには乗らずに歩きました。八栗を降りるときまでずっと首に巻いて歩きました。このおかげでずいぶん頭がすっきりし,身体が少し戻ったと思います。
志度までのアスファルトで再びピンチ → ガストで命拾い
アスファルト地獄で歩きすぎました。「ガストまで2km」という立看が誘い水となって結果的に2km無理して歩くことになってしまいました。
ガストの涼しいところに入ってもなかなか身体が冷えません。朝からおにぎり1個しか食べてないのでガッツリ栄養補給しようと思いました。チキン料理のランチを注文しました。
ところがランチが出てきてもいっこうに食欲が湧きません。いや,食欲がないというより食べる力がないという状態になっていました。しばらくランチとにらめっこしていました。
あんまり食べないでいても「どこから見えました?」と声をかけてくれた隣のテーブルの女性が変に思うかもしれません。無理して箸を動かしました。休み休み,少しずつ口に入れました。
とにかく身体を冷やさなければなりません。保冷剤の代わりに氷を持ってきてタオルに包んで首に巻きました。一回,氷を取り替えて何とか身体の熱さが納まりました。
志度寺のお接待
志度寺にはゆっくりくつろげるスペースがあります(右の写真)。エアコンが効いている休憩スペースなんてほかのお寺にはありません。冷たい麦茶や熱いお茶,茶菓子も用意されています。
志度寺は五重塔がある立派なお寺です。裕福なお寺なんだなあといつも思います。
連続お接待
志度寺から長尾寺へ向かう県道一本道,ここを歩くときはいつも暑い。そう言う時間帯になってしまうのだが,風かがなく今日も本当に暑かった。
急にクルマが止まってウィンドウが開いたと思ったら,おじさんが顔を出しました。
「お接待です」
と,渡されたのは米菓子と黒飴のセットでした。
それから5分も経たないのにまた別のクルマが止まり,女性が出てきました。
「お接待です。荷物になるかもしれませんが」
そう言って渡されたのは冷たいお茶でした。たった5分の間に2回のお接待。
来るときには来るものです。
レモンがおいしいと思ったのは初めて
写真ではよく分かりませんがいちばん上に凍った輪切りレモンがのっています。氷アイスはもち
ろんおいしいのですが,苦いレモンをいっしょに味わうのが意外によく合うということが分かりました。
ここは長尾寺手前3kmのコンビニですが,2日後,引田に向かう道の商店でも食べました。
2番極楽寺手前のコンビニでは地元のおじさんが缶ビールを飲んでいましたが,本当に暑いときはビールより氷アイスです。
スイカの大脱走?
どうしたスイカ! どこに行きたい?
長尾寺の納経所
別の場所に新築されていました。このお寺も儲かっているのかなあ。
<教訓>
ここまで2日間,宿で朝を食べずに早立ちしてきました。今日が4:00発,昨日が4:40発でした。その無理がたたって身体をやられてしまったのではないか。両日とも昼過ぎからもうろう状態。左目と上唇の腫れ物も悪化しました。以下の2つを教訓とします。
第1に,早朝は気持ちがよく調子にのって歩きすぎてしまうのがよくない。
第2に,温かい食事を摂らないと充分な栄養にはならない。
本日の夕食からは宿で2食食べることにしました。