8月15日(水)

カルガモ農法 宿毛市
カルガモ農法 宿毛市

39番延光寺

 

 5時に出立して,39番延光寺間での6.8㎞を往復した。朝から日差しが厳しい,今日一日を占うような典型的な真夏日だった。

39番「延光寺」 宿毛市平田町
39番「延光寺」 宿毛市平田町

 それでも,朝だけは涼しく気持ちよく歩けるが,見かけの元気だけで,本当は腹の中になんにも入ってないから,エネルギー渇望状態にある。どうもごまかされてしまうようだ。そのままにして歩き続けると,昼過ぎにシャリバテがやってくる。気をつけなければいけない。

松田川 宿毛市
松田川 宿毛市

 39番で久しぶりの納経をした。今回6日間歩き続けて,やっと2回目の納経である。本当になんにもないところばっかりだったな。前回の失敗を反省して,今回は教本を見て般若心経を納経した。

 へんろ道に入る前にローソンでおにぎりを買った。ついでにかき氷も買って食べた。おいしかった。

山の向こうは愛媛県 
山の向こうは愛媛県 

 

 

松尾峠はきつかった

 

 へんろ道突入,松尾峠を目指す。保存協会のおじさんの言うとおり木陰は気持ちよかったが,岡本旅館のおかみさんと同じで蛇が怖かった。金剛杖で前を払いながら進む。ウサギ道への入り口を見過ごして,道がなくなり,ブッシュに突入してしまった。さすがにここではなかろうと戻って発見できたからよかったけれど,間違った道があのまま続いていたら,と思うとぞっとする。蛇が怖くても下ばかりみていられない。上にぶら下がるへんろ札に注意しながら,下の蛇を警戒する。なかなかたいへんである

松尾峠へんろ道
松尾峠へんろ道

 松尾峠の登山はきつかった。あの程度の登山でどうしてあんなにきつかったのか,今思うことはいくつかある。
第1に自分のペースが守れなかった。というか,1歩1歩あるくという歩き方ではなく,先へ先へといつも焦っていたような気がする。昼までに○○に着きたいとか,△時までには山を越えたいとか,早く宿に入って休みたいとか,今歩くことを実感しながら歩くのではなく,今日を早く終えることを考えすぎていたのだ。早く着くことが目的じゃないはずだ。歩くことが目的なんだから,ゆっくりゆっくり歩けばいいじゃないか。長い時間歩くことを楽しめばいいじゃないか。誰かと競争している訳じゃないから。知らず知らずのうちに何かと競争し,自分を苦しめていたのだ。

松尾峠
松尾峠

 第2にやっぱりシャリバテ。"朝早くから"はいいこともあるけれども,ちょっとぐらい出立が遅くなっても朝食はゆっくりしっかりとった方がいい。
 第3に熱中症。この時点では自分が熱中症状にあるとは思っていなかったが,後から思えば徐々に症状が進行していたと思う。
松尾峠の頂上には四阿とベンチがあって日陰で休むことができた。ここが高知県と愛媛県の県境である。長かった高知県,"修行の道場"が終わった。これから"菩提の道場"が始まる。頂上は,見晴らしはよくなかったが涼しいのはよかった。ただ,ちょっとすわっていると蚊がやってくる,長くすわっていると蚊がいっぱいやってくるのが何とも不愉快だった。蚊取り線香は必需品か。
愛媛県側の下山はなだらかな整備された道,負担も少なく降りられた。

愛南町 国道56号線沿い
愛南町 国道56号線沿い

 

 

シャリバテか

 

  下山後県道から国道56号線へ。暑さとの戦いがまた始まった。国道にはずううっと何もなかった。店も自販機もなかった。思えば国道というものは高速で走る自動車があっという間に通過するところだから,補給地点がそんなに頻繁になくても誰も困らないのだ。車だったら10分も走れば10㎞近くいってしまう。その間何もなくても何の問題もない。ところがそこを歩くと,2時間半。結論・・・国道は歩く人向けには作られていない。

愛南町 国道56号線沿い
愛南町 国道56号線沿い

 ついに国道沿いでグロッキー。やっと見つけた日陰と自販機の前でクーを飲んで,ピーナッツを食べて,ごろんと横になった。30分ぐらいごろごろと横になっていた。このときにはシャリバテとオーバーペースでやられたと思っていたが,真犯人は熱中症だったようだ。

玉水旅館 南宇和郡愛南町
玉水旅館 南宇和郡愛南町

 

 

玉粋旅館

 

 玉粋旅館は料理の量が半端でなく多かった。勢いでビールを注文してしまったが,後悔した。多すぎて食べられないのだ。その上ビールを飲まなければいけない事態になってしまったのだ。朝食もなかなか豪華だった。古い,広い,親切,玉粋旅館はいい旅館だった。