忘れ物
杖をホームに忘れて改札を出てしまいました。駅員さん(かわいらしい女性)に断って入らせてもらいました。
どうして忘れたのか,それは理由があります。
発端は特急「しおかぜ3号」の車内でした。3日後の宿泊の予約を取ろうとデッキで電話しました。この日の宿はそこ以外にはまったくなく,ここがダメになると計画が大きく狂ってきてしまいます。
ところが,
「その日は休館日になっていまして・・・」
と,つれない言葉が返ってきました。
そのときからこのショックが頭を離れなくなってしまいました。しおかぜを降りてからも頭の中は「どうしよう」が駆け回っていました。こういうときに凡ミスは出ます。
注意散漫と言いますが,注意があっちこっちに散ずるわけです。わたしの注意は完全に一面に散じていました。
休憩後の儀式
腰をおろして休憩したあと必ずすることが,わたしにはあります。荷物を全部持ったあと,休憩した場所に一礼します。「ありがとうございます」という気持ちでもありますが,主たる目的は忘れ物がないかその辺り一帯を見回すことです。忘れ物がないことを確かめて歩き出します。
このときはこの儀式をも忘れていました。
台湾から来たおへんろさん
今回2つ目の札所の「郷照寺」で歩きへんろさんに初めて会いました。「こんにちわ」と声をかけるとニコッと笑ってくれましたが,黙ったままです。
人としゃべりたくない,気難しい人かもしれないと思いました。でも,そうではなくて日本語があまりしゃべれない人でした。
「わたし,台湾から来ました」
そう言ってまたニコッと笑いました。気難しいどころか,とてもフレンドリーな人でした。
中国語教室に通ってもう○十年になるのにちっともしゃべれませんが,ここは当たって砕けろです。
「シェンマシーホゥ ニ ライラ リーベン?」
そう言うと彼はビックリしたように目を剥き,「あなたはチューゴクジンか?」と,うれしいことを言ってくれました。「ブシ ブシ ウォシ リーベンレン」
難しいことはしゃべれないので,あとは日本語と中国語のごちゃ混ぜの会話になりました。
お四国ならではのおもてなし
「お四国」は「四国」とは違います。四国は普通に日本の一地方のことですが,お四国は弘法大師とお遍路の世界です。お四国にはお四国ならではのおもてなしが至るところにあります。
コンビニの入口に杖を入れる籠がおいてあるなんて,ほかの地方では考えられません。
「お遍路さん休憩の際杖はコチラに」と札が着いていました。「ごゆっくりどうぞ」ともあります。
坂出の商店街を抜けたところに建っていたのは大きな支柱です。「79番札所高照院までもうちょっとやけん頑張りまい」とあります。励ますだけのものなのに,こんな大袈裟なものをつくってしまうなんてビックリです。
コンビニのイートインコーナー
コンビニで弁当を買ってイートインコーナーで食べました。国分寺手前のコンビニではアイスを食べました。このあとの日も何度も利用しました。イートインコーナーにはずいぶんお世話になりました。