7月30日(日)

ー午前9時30分多度津駅からスタート,77番〜80番へ。ー

 

忘れ物

多度津駅ホーム
多度津駅ホーム

 杖をホームに忘れて改札を出てしまいました。駅員さん(かわいらしい女性)に断って入らせてもらいました。

 どうして忘れたのか,それは理由があります。

 発端は特急「しおかぜ3号」の車内でした。3日後の宿泊の予約を取ろうとデッキで電話しました。この日の宿はそこ以外にはまったくなく,ここがダメになると計画が大きく狂ってきてしまいます。

 ところが,

「その日は休館日になっていまして・・・」

と,つれない言葉が返ってきました。

 そのときからこのショックが頭を離れなくなってしまいました。しおかぜを降りてからも頭の中は「どうしよう」が駆け回っていました。こういうときに凡ミスは出ます。

 注意散漫と言いますが,注意があっちこっちに散ずるわけです。わたしの注意は完全に一面に散じていました。

 

休憩後の儀式

 

 腰をおろして休憩したあと必ずすることが,わたしにはあります。荷物を全部持ったあと,休憩した場所に一礼します。「ありがとうございます」という気持ちでもありますが,主たる目的は忘れ物がないかその辺り一帯を見回すことです。忘れ物がないことを確かめて歩き出します。

 このときはこの儀式をも忘れていました。           

 

台湾のおへんろさんと私       郷照寺山門
台湾のおへんろさんと私       郷照寺山門

台湾から来たおへんろさん

 

 今回2つ目の札所の「郷照寺」で歩きへんろさんに初めて会いました。「こんにちわ」と声をかけるとニコッと笑ってくれましたが,黙ったままです。

 人としゃべりたくない,気難しい人かもしれないと思いました。でも,そうではなくて日本語があまりしゃべれない人でした。

「わたし,台湾から来ました」

 そう言ってまたニコッと笑いました。気難しいどころか,とてもフレンドリーな人でした。

 中国語教室に通ってもう○十年になるのにちっともしゃべれませんが,ここは当たって砕けろです。

「シェンマシーホゥ ニ ライラ リーベン?」

 そう言うと彼はビックリしたように目を剥き,「あなたはチューゴクジンか?」と,うれしいことを言ってくれました。「ブシ ブシ ウォシ リーベンレン」

 難しいことはしゃべれないので,あとは日本語と中国語のごちゃ混ぜの会話になりました。

 

お四国ならではのおもてなし

 

 「お四国」は「四国」とは違います。四国は普通に日本の一地方のことですが,お四国は弘法大師とお遍路の世界です。お四国にはお四国ならではのおもてなしが至るところにあります。

 コンビニの入口に杖を入れる籠がおいてあるなんて,ほかの地方では考えられません。

「お遍路さん休憩の際杖はコチラに」と札が着いていました。「ごゆっくりどうぞ」ともあります。

 

坂出商店街
坂出商店街

 坂出の商店街を抜けたところに建っていたのは大きな支柱です。「79番札所高照院までもうちょっとやけん頑張りまい」とあります。励ますだけのものなのに,こんな大袈裟なものをつくってしまうなんてビックリです。

 

コンビニのイートインコーナー

 

 コンビニで弁当を買ってイートインコーナーで食べました。国分寺手前のコンビニではアイスを食べました。このあとの日も何度も利用しました。イートインコーナーにはずいぶんお世話になりました。