早朝,しかも下り道
涼しい上に下るだけなので体が楽です。調子にのって歩いてしまいます。1時間歩いたら1回休憩を普段は目安にしていますが,このときは2時間近くも歩きつづけてしまいました。
地域の集会所のような建物です。日陰と腰を下ろせる場所があればどこでも休憩所になります。靴と靴下を脱いで蒸れた足を乾かします。
わたしは汗かきなので足が蒸れやすくすぐにマメができてしまいます。それをできるだけ防ぐのが目的ですが,それでもかならずマメはできます。ただ,最近マメができるのはしかたがないと覚悟しています。そしてマメの痛さは我慢できるようになりました。
痛いのは歩き始めの5分だけ
足のマメは水ぶくれになりそれが神経を圧迫して痛みになります。でも,痛いのは歩き始めの5分から10分です。そのあとはウソのように痛みが無くなります。
あれはどういうメカニズムなんでしょうか。恢復しているわけではありません。むしろ悪化していると見た方が自然です。どうしたわけか,いつも休憩後の5分余だけ痛い思いをします。
脳の防衛反応なんでしょうか。そのまま放っておかれ,いつまでも対処してくれないので脳があきらめて信号を出すのを止めてしまうのかもしれません。専門的なことは分かりませんが,案外当たっているような気がします。
だから,マメの痛さは最近さほど苦にならなくなりました。
膝や足首,足の甲を痛めるとたいへん
マメの痛さは脳も簡単にだませますが,膝や足首そのものを痛めると脳は許してくれません。膝は久万高原で,足首足の甲は神峯寺で失敗しました。いずれも歩きすぎの上,下りで足に大きな負担をかけたことが原因だと思っています。今回は同じ失敗をしないように,歩きすぎないように,また下りで急がないようにと心掛けて歩きました。足を痛めるのはのぼりより下りが多いと思います。
そういう意味では昨日のゆとりは体のためにいい休養になりました。
空ちゃん田んぼ
いわゆる田んぼアートです。合成写真左上のやぐらにのぼって下の田んぼを見下ろすようになっていました。さっそくのぼってみましたが何だかよく分かりません。時機を逸してしまったのかもしれませんが,うっすらと遍路姿らしき絵が見えるだけでした。本来ならば写真右上の「清らかな心」のように見えるはずなのでしょう。これはしたにあった説明ポスターの一部です。
2009年から毎年続けて今年で9年目になるようです。
「この道は,四国八十八か所巡礼のお遍路
さんが通る道です。平成21年に地元で農業法人発足に合わせ,弘法大師空海さんをモチーフにした田んぼアートでお遍路さんを癒そうとスタートさせました。
空海さんも歩いたであろうこの道と風景,そして私共が描いた空ちゃん田んぼを見ていってください」
そんな風に紹介されていました。
日陰の風が気持ちいい
エアコンの室内より風通しのいい日陰の方が気持ちがいいと思うようになりました。
福栄というところに向かしながらの商店がありました。ここで氷アイスを買って食べました。外の日陰で食べていると店のおかみさんが声をかけてくれました。
「暑いから中で食べなさい」
店の中はエアコンが効いています。でもわたしは断りました。遠慮したわけではありません。本心から「外の日陰の方がいい」と思ったからです。
思えば,水の飲み方も少し変わってきました。へんろを始めたころは自販機の冷たい水を一気に飲んでいました。「冷たい水がおいしい」と思っていました。しかしこのごろはそうではありません。いちばんいいのは「常温の水」です。自販機で冷えた水は一口二口ならいいのですが,それ以上は飲みません。しばらく持ち歩いて常温になったころに飲みます。量も少しずつです。常温の水を少し入れることで体が真に癒やされていきます。
お茶やスポーツ飲料もあまり飲まなくなりました。何も混ざってない水が体にはいちばん合うようです。
へんろ道入らず後悔,入って後悔
どっちを選択すればいいか事前には測りません。
県道をそのまま行くか,右に折れて旧道に入るかの選択は勘に頼るしかないことがたびたびあります。そのときはそのまま県道を歩きました。ところがしばらく行くと,明らかに県道のほうが湾曲しています。旧道はまっすぐな上両サイドの家が日陰をつくっていました。
「旧道のほうが静かで気持ちよさそうだな」
もう戻るのは手遅れです。
次は県道からそれて小川沿いの堤防道路を選択しました。ところが今回も失敗,県道沿いの畑には見事なヒマワリ畑があるのが遠くから見えました。何事も思うようになりません。
距離の読みまちがい→2日連続休養日になってしまいました。(宿着12時半)
歩きへんろ地図には複数のへんろコースが載っています。それぞれのコースに起点(多くは札所)からの距離が随時表示されています。その距離表示を読みまちがえました。
大窪寺から引田までおおよそ27kmと読んでいたのですが,その27は別のコースの距離表示でした。実際はおおよそ22kmといったところです。
昨日のように「確実に早く着いてしまう」と分かっているわけではありません。27kmあると思い込んでいますから,道草を食いながら歩きはしません。しかも,ほぼ全コース下り坂です。ある程度早く着くかもしれないとは思っていましたが,とん
でもなく早く着いてしまいました。
ついに傘が壊れました
「引田まで3km」との道路標識を見たときはまだ11時半でした。このあとどんなにゆっくり歩いても1時間とかかりません。
しかもタイミングが悪いことに,ここで菅笠がまた壊れてしまいました。さらに,何とか直そうとやってみたところ,支えの竹を折ってしまい修復不可能になってしまいました。こうなると道端でぐずぐずしているのも難儀です。早すぎるけどしかたがないのでそのまま宿に向かいました。
宿の翼山温泉に着いたのが12時半でした。
「4時からなんですけど・・・」
翼山温泉に入館したらそう言われました。当たり前です。準備する方としてはそんなに早く来られたんでは困ります。
12時半ですからまだ3時間半も時間があります。我が儘は言えないので,食堂で昼食を食べて・・・,温泉に入って・・・などで時間をつぶすことにしました。部屋に入れないので荷物は受け付けで預かってもらうことにしました。
温泉は都会のスーパー銭湯をちょっと小振りにしたような施設でした。サウナと水風呂があったので何回も入ってゆっくり体を癒やすことができました。昼食は食堂で「わかめうどん」を注文して食べました。わかめとうどんは意外にも合っていました。350円でした。
そんな,こんなで館内をうろうろしていたら,受付のおじさんがやってきました。
「お部屋に入れるそうで,ご案内します」
まだ1時半です。おそらく親切心からは止めに連絡をとって室内をセットしてもらったのでしょう。その心遣いに心から感謝です。