接待その2
みょうざい旅館から18番「恩山寺」までも長かった。 みょうざいのおかみは「3時間」と言っていたが,たっぷり4時間かかった。 体調も悪くなかったし,結構早歩きをしたので4時間分の距離はあったんだろう。 長時間歩いていると,
「そろそろ休憩しようかなぁ」と思う。 でも,もうちょっと歩こうかなぁ,とも思う。そういう気持ちのシーソーゲームをしながら歩く。 休もう,と思ってもその前を通り過ぎたり,ふと立ち止まって腰をおろしてしまったりする。 そんなのは全く行き当たりばったりである。
そんなふうにして休んだコンビニの前に座っていたときに, 「冷たいものでもどうぞ。」とおばさんからお布施を受けた。 こういうのが“縁”なのだろう。 もし,そこで休まなかったら,もし,もっと前で休んでいたら,もし先の赤信号でつかまっていなかったら,…などなど,さまざまな条件が重なって今がある。
それが“縁”というものかもしれないなぁ,と考えてしまった。
雨,お大師様ごめんなさい。
18番についたとたんに黒雲が満点に広がり,にわかに雨が降ってきた。 それも,今までそんな兆しが全くなかったのに,激しく降ってきた。 ちょうど18番についたときだったので,運はたいへんよかっただが,大師堂で雨宿りをさせてもらうことにした。 ついでに昼食をと,パンと少しばかりの菓子を食べた。
ところがここで図らずも尿意が……。トイレに行こうにも下の駐車場。 しかも激しく雨が降っている。南無八幡,あたりを見回せば人はいない。 南無大師,ご勘弁を,と心で唱えながら大師堂から放尿してしまった。
している最中に人が来ないように,とお祈りしながら。・・・・・・だれも来なかったからお祈りが通じたんだろうか。
ここで2人の若者と熟年の女性へんろに会った。どちらも珍しいへんろである。前者は2人という点で,後者は熟年の女性という点で。