ユニクロで買ったポロシャツ
名鉄前後駅から伊予三島駅までは今回のおへんろの助走区間です。
白装束はリュックの中,電車に乗っているときは普通にポロシャツを着ていきます。
このポロシャツ,ユニクロで買ったのですが,一週間で3人も同じシャツを着ている人を見ました。
このシャツが再び登場するのはへんろを終えて帰るときです。そのときまでリュックに入れてずっと持ち運びます。それほど大切なものというわけではないのですがね。
南風5号運転見合わせ
大雨の影響で特急南風が「阿波池田ー高知」の間が運転見合わせというテロップが新幹線で出ました。
わたしが乗った「しおかぜ3号」は全く影響ありませんでした。
愛媛に比べて格段に自然環境の厳しい高知の一面を見たように思いました。
名古屋は2,3日前から梅雨明け快晴で暑さこそ厳しいものの雨で困ることは予想もできませんでした。
伊予三島駅のスタートはポツリポツリの雨でした。
しおかぜ3号の到着は9時53分,予定どおりでした。1分と狂わないJRの運行にはいつも感心させられます。いや,感心を通り越して気味の悪さも感じてしまうのはわたしだけでしょうか。
歩き始めると,ポツリポツリと雨が降ってきました。
でも,空が明るく,雨が本降りになるような景色ではありませんでした。ただ,湿気が蔓延,蒸し暑い空気の中でのスタートでした。
雲の中の三角寺
はじめはカメラのレンズが汚れているのだと思いました。モニター画面の上部が真っ白です。レンズをタオルでふいても変わりません。レンズではなくて自分がいるところが真っ白なんだと少しして気づきました。
きれいなおかみさん
今回のおへんろ初めての納経は,きれいなおかみさんでした。
先週の台風の影響は思ったほど少なかったと喜んで見えました。
納経所外のベンチで昼食をとりました。駅前でかったおにぎり弁当です。
別格仙流寺
12時過ぎに三角寺を立って,だらだらとした坂を下りました。その坂の途中で上ってきたおへんろさんとすれ違いました。
「逆打ちですか?」
「そうじゃなくて,別格の仙流寺に行ってきたんですよ」
別格のお寺は,八十八ヶ所のルートに乗っているところ以外はずいぶん遠くにあります。わたしも一度は訪れてみたいとは思っていますが,そう簡単ではありません。
膝の痛みとけいれん
前回(去年)のへんろで無理をして膝を痛めたので今回は気をつけて歩きました。時々右膝に小さな痛みが走ります。無理をしないようにスピードを落として歩きました。
ところが突然左ふくらはぎがけいれんしました。「足がつる」という状態です。寒さのために体が冷え込んできたからでしょうか。
突然のどしゃ降り
平山のバス停で休憩していたら突然の本降り,すぐ近くの「ゆらぎ休憩所」に避難したらどしゃ降りになってしまいました。
黒雲と遠雷がどこにいたのかいきなりやってきて,バケツをぶちまけたような雨が降りました。
たまたま休憩所に入ったあとで,運がよかった,このジャストタイミングはわたしが何か大きなものから守られているような気がしました。
単なる偶然なんですが,人間ってこんなことでも「選民意識」をもってしまうものなんですね。
レイン・ポンチョ
防寒にはもってこいです。
雨に濡れてからだが冷え込んできてしまっていました。標高が高いことも影響があるのでしょう。真夏に防寒で役立つとは思いませんでしたが,すこし小振りになってからのポンチョ姿での出立は,思いのほか快適でした。
雨上がりの段々畑
番外霊場常福寺に近づくころに雨があがってきました。レイン・ポンチョの欠点は前が開かないことです。
七子峠や内子で着たときは蒸し暑くてたまりませんでした。
前をはだけて風を通しながら歩くというわけにはいきません。だから暑いときはポンチョの中が蒸れ蒸れになります。
もうひとつの欠点はしたたり落ちる雨水で靴が濡れてしまうことです。牟岐で降られたときは靴の中がぐじょぐじょになってしまいました。
今回は幸い靴が濡れることも,不快な蒸し暑さも感じることはありませんでした。
常福寺(椿堂)は前回も雨上がりでした。
思えば前回(5年も前です)も同じようなところで雨に降られました。
この地は雨が多いのかもしれませんが,前回の遍路を思い出すよすがとなりました。
椿堂の少し手前に休憩所がありました。冷蔵庫が置いてあり,中に冷えた水や麦茶が用意されていました。
これも前回と同じでした。
椿堂の納経所では,きれいなおかみさん(この人は同じかどうか分かりません)から,
「歩きへんろの方には納経料はお接待させていただきます」
と言われ,差し出した300円を戻されました。
これも5年前と同じです。さらに加えて缶コーヒーもいただきました。
気温24℃!
三角寺から椿堂までが下り,椿堂からはなだらかな坂(国道192号線)を延々とのぼることになります。
登りはじめて1時間ちょっとで境目トンネルにつきました。
ここが愛媛県と徳島県の県境です。トンネルを抜けると徳島県三好市の案内表示に出会いました。
気温24℃はこの時期の真昼の温度としては極めて例外です。
道を間違えそうに・・・
境目トンネルの手前で危うく道を間違えそうになりました。トンネル手前はいくつかのルートとその案内表示が混在していて迷いやすいところです。
トンネルを通らないで境目峠へ向かう人や曼陀峠を越えて一気に雲辺寺にのぼる人やでへんろ矢印があちこちに向いています。
また,おへんろでない人の案内もあります。
わたしは危うく境目峠を越える車道に入りこんでしまうところでした。助けられたのは,「↑民宿岡田」という案内です。
民宿岡田は前回も泊まった宿です。
食堂の両壁面にはおへんろさんの写真がびっしり貼ってあります。
玄関にはへんろに関する本が何十冊と並べてありました。おへんろさんが自費出版した本が多いそうです。
雲辺寺登山と下山ルートの細かい地図が用意されていて,おかみさんが丁寧に説明してくれます。
「観音寺から山本寺へは川の右側を歩くといいよ」
「明日はどこまで? ほ志川さん,大丈夫行けるよ。36kmだね」
「おにぎりの接待,玄関に置いておくから持ってってね」