朝5時のはりまや橋
昨日のおへんろさんの言うとおり「竹林寺」までの道のりは簡単でした。
はりまや橋で左折し,国道32号線を東進するだけで遍路道にたどり着きました。 遍路道は以前来たときに歩いたことがあるので,もう心配は無用です。
およそ6km,5時に出発して6時半に到着予定で歩き始めました。明け切らないはりまや橋は祭りの名残もなく静かでした。今日もここでよさこいチームの熱い踊りが繰り広げられるのでしょう。
植物園に入り込んでしまいました。
竹林寺への遍路道の先には牧野植物園もあります。遍路マークを見ながら歩いて五台山の山頂にたどりついたら,きれいな遊歩道につながりました。
そのまま歩いていくと,植物園の庭が左手に見えてきました。そしてさらに植物園の門にたどりつきました。
しかしまわりをよく観察すると,どう見ても自分がいるところは植物園の”中”,そして,門は閉まっています。時刻は朝の6時半,周りにはだれもいません。目指す竹林寺は閉まっている門の外側にあります。
どこでどう間違って植物園に入りこんでしまったかもう分かりません。抜け出す術も見つかりません。
万事休す,でしたが,門の横をよく見ると並べられた岩をよじ登れないことはありません。よくないことだとは思いましたが,ほかに解決策が見あたりませんので,乗り越えて脱出することにしました。
それにしても,なぜ,こんなところに?
天気予報どおり
32番「禅師峰寺」に着いたら雨が降ってきました。お参り,納経を済ませたら雨足が強くなり,本降りになってしまいました。
それで,雨具初めての登場です。昨年買ったレインポンチョ,今まで一度も使わずじまいでした。準備するときに「あれ? こんな色だったか」と思ったほどです。
使い勝手は最高でした。リュックもウェストバッグもいっしょにすっぽりかぶれます。足元が濡れるのはやむをえませんが,上半身と腰回りがまったく濡れないので快適に歩けました。しかも,途中休憩するときもさっと脱ぐことができます。
激しい豪雨となるとまた不具合が出てくるかもしれませんが,たいていの雨ならこうしたポンチョで十分だと思われます。
種崎渡船場
浦戸湾を渡るフェリーを利用しました。乗船時間5分のちっちゃな船です。乗ったのは私と自転車に乗った地元のおじさん、遍路の若者(広島から来た大学生だそうです)の3人だけ。でも船員は4人いました。
「今日はどこまで?」と若者に聞いてみたら、
「行けるとこまで」
彼は野宿して回っているので宿の心配いりません。その度胸にあっぱれ、私はとてもそこまでの覚悟がまだできません。
前回は浦戸大橋へ回り,1.5kmほど余分に歩きました。30分程度の時間短縮になったでしょうか。
店じまい?
長浜でフェリーを下りてすぐのところの民宿『関の家』,看板が出ていませんでした。どうしたんでしょう。わたしは6年前に泊まり,ご主人にいろいろなお話を聞きました。
「おへんろさんはどんなことがあっても泊める」
ベレー帽のご主人はそうおっしゃっていました。
お弁当350円
33番「雪渓寺」の手前,小さなレストランの店先でお弁当を売っていました。トレイに入ったチャーハンが250円で,おかずを100円でつけていただきました。
「刺身はサービスしておきます」
昼食はほとんどの日はコンビニで買ったパンかおにぎりです。思わぬ豪華なランチになりました。雪渓寺の境内でゆっくり食べました。
観光バス遍路
雪渓寺に着くとほぼ同時に観光バスが2台到着しました。1台に40人として2台で80人の白装束集団が一気に押し寄せます。
1号車は本堂,2号車は大師堂というように2隊に分かれてお勤めを始めました。それぞれのグループがリーダーに合わせて一斉にお経を唱えあげます。なにせ数が数ですから迫力があります。
終わってからゆっくりとも思ったのですが,今回はあえてひとりで立ち向かおうと声を張り上げてお参りしました。
激流にさからう子メダカのようなものです。流され,溺れそうにもなりましたが,般若心経,十三仏真言,光明真言,・・・・・・,気合いを入れて読み通しました。
何になるの?
きれいな形のひょうたんを見つけ,思わずカメラを向けてしまいました。ところで,ひょうたんって,いったい何のために作っているんでしょうか。
水筒になるんだよ,といった友人がいます。でもひょうたんをぶら下げている人を見たことがありません。
おへんろさんたちと
34番「種間寺」でフェリーに同船した大学生へんろといっしょになりました。33番「雪渓寺」で見かけた若い女性のおへんろさんも,少し遅れて種間寺にやってきました。みんな同じルートを同じ向きで歩いているので,2度3度と会うことが結構あります。
大学生は野宿をしていると言っていたので,
「清滝寺にはなかなか立派な通夜堂があったと思う」
以前まわったときのことを思い出したので,そう伝えました。種間寺からだと10km 近くありますが,十分歩ける距離です。
仁淀川では,30番で話をしたおへんろさんに追いつかれました。彼も野宿が基本の人です。あと5kmの清滝寺の通夜堂を目指して歩いていました。
おへんろさんたちとは短い時間,短い会話しかできないことが多いのですが,たいへん貴重な情報交換になったり,思い出深いふれあいになったりします。