8月18日(金)

37番「岩本寺」山門 高岡郡四万十町
37番「岩本寺」山門 高岡郡四万十町

大雨と強風の中 

 朝起きたら,激しい風ととんでもない雨。おかみさんに5時に出ますと言ってあったが,どうしようか悩んでいるうちに,予定より1時間遅れ。「やっぱり,歩くことしかやることがない。」というのが結論。初めて使うカッパを身にまとい出立した。それが6:00。 
 歩き始めてまもなく,カッパの効果は上半身しか及ばないことを知った。雨はともかく(夏なので冷たくはなく,濡れることはさほど苦にならない。)風がうっとうしい。あらゆる方向から気ままな突風が吹く。菅笠がちっとも落ち着かない。風さえなければ,この菅笠は雨に対して極めて高い性能を発揮する。 
 その上,自然の風に加えて,大型トラックがすれ違うときの突風も油断ならない。この風対策さえ克服できれば,菅笠は世界一のかぶり物になるに違いない。 
 この悪天候の中,へんろ道はあきらめてひたすら国道を歩いた。だらだらと続く長い坂。”七子峠まで5km”の標識。昨日大善寺の和尚さんが言っていたのはここのことか。バケツの水をひっくり返したような,というたとえの通りの雨の中,ひたすら歩いた。ひたすら登った。

37番「岩本寺」境内
37番「岩本寺」境内

 

ゆういんんぐ四万十 

 観光物産センターで座れるところを見つけた。外に屋根が貼ってあって,テーブルといすが置いてあった。こんなずぶ濡れの格好でとても部屋の中に入れないところだったので,外で雨があたらないところがあることがたいへんありがたかった。アスファルトの地面だが屋根があるのでそこは乾いていた。靴と靴下を脱いで足を乾かした。ついでに焼きそばをかって食べた。上等なものではなかったが,おなかがすいていたのでそれなりにおいしかった。 
 そのとき,その物産センターのおばちゃんだと思うが,いきなりあいているテーブルのいすをどけて,掃除を始めた。しかも,せっかく乾いている面に水をまきながら。土砂降りの雨が降っているときに,である。 
「おおっ!そんなこと,晴れた日にやってよ。晴れた,暑い日に,水をまいて気持ちよく掃除をしようよ。なんでこんな時に,水なんかまいて,ちょっとおかしくない?」 
「ゆっくり座っていてくださいね。」と声をかけられたが,流された水が自分のエリアに近づいてくるのを見ながらはとてもゆっくりなんかはできなかった。 
 靴下と靴を履いて,カッパを着て,どしゃ降りの中へ飛び出した。

37番「岩本寺」大師堂
37番「岩本寺」大師堂

37番岩本寺 

 雨のおかげだろう,みずみずしく美しい寺がそこにあった。お参り,納経をすませると,一人のへんろさんが来た。彼は,ビッグスクーターでのへんろ,そういう人は初めてだった。 
 このお寺で義理の父母のために線香を購入した。