しらびそ高原へ行く予定ではありませんでした。
国道152号線を南から上って,ヒョー越林道で兵越峠を越えるのが初めの目標でした。ヒョー越林道は青崩峠を迂回する道です。
国道152号線は青崩峠で不連続になっています。あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退したそうです。
ところが,国道473号線の原田橋が不通になっていたので,東栄町から佐久間町へ行くことができませんでした。
ここが通れないとヒョー越林道を南から入ることが難しくなってしまいます。
地図を見ていろいろ検討しましたがあきらめました。
やむを得ず151号線に戻って,とりあえず茶臼山に行くことにしました。
いま茶臼山は「芝桜まつり」開催中で,通行規制の最中でした。
山頂週回道路が走り抜けられなくなっていました。勢いよく曲がってきたロータスエリーゼが警備員に気づいて何とか止まった場面に遭遇しました。
何度も行ったことがある茶臼山ですが,朝の9時前に着いたのは初めてでした。
いつもとは日差しの方向が違い,今までとは違った方向であざやかな写真が撮れました。
9時前だというのに,駐車場に入る車列ができていました。このあと時間を追って加速度的に車列が伸びて行くに違いありません。10時過ぎに来たら渋滞待ちでは入れなかったかもしれません。
リフトに乗って芝桜庭園に行きますが,わたしはパス。芝桜には何の魅力も感じませんし,人混みの中で待つのはもっと嫌いです。快晴の空気とウグイスの声をしばし味わってさっさと下山しました。
下山は売木峠から白樺林の中を走り抜けました。
このルートも走りやすい快適ロードです。広くて路面もきれいです。走行車両も少ないので気持ちよく走ることができます。
本当は,茶臼山に行く予定ではありませんでした。初めは国道152号線を南から攻め,兵越峠を南から上って越えるのがとりあえずの目標でした。ところが,国道473号線の原田橋が通行止め。やむなく151号線に戻らざるをえなくなり,迷ったすえ茶臼山に行きました。
原田橋の通行止めは「河川敷迂回路あり。二輪・歩行者は通行不可」とありました。四輪は迂回路を通れるわけです。二輪不可は分かるのですが,歩行者不可というのはどういうことなんだろうと思いました。
道の駅「遠山郷」の近くで鯉のぼり群を発見しました。
いい具合に鯉のぼりといっしょに写真を撮ることができました。
このあたりでは旧暦で端午の節句を祝うのでしょう。
しらびそ峠には標高1833mの看板が立っています。寒暖計はありませんでしたが,下界より10℃ほど低いんじゃないかと思います。
まさに天空の別天地です。
ここの天空ロードが狭くて急カーブが多いので,あまりクルマが来ないのがいいのかもしれません。
天気がよく,南アルプスの山並みがきれいに見えました。
尾張小牧ナンバーをつけたバイクが2台やって来ました。
CB1300SFのタンデム夫婦とVTRの息子の3人家族と思われました。
「名古屋からですか」と声をかけられて,少しだけだけれど話ができました。
春日井市から飯田市を経由してしらびそ高原まで来たそうです。
「わたしは下から,152号線を上ってきましたよ」
初めはしらびそ高原まで行くつもりはありませんでした。
道の駅「遠山郷」のレストランで食事をしたときに従業員の女の子に聞きました。
しらびそ高原まで1時間かからないということがわかってしらびそ行きを決定しました。
しらびそ高原は期待通りでした。すがすがしい空気に包まれて青空が広がり,南アルプスの山嶺がくっきりと遠望できました。白樺もたっぷりと日差しを受け,明るい緑葉をきらめかせていました。
「わたしは飯田経由で帰ります。おさきに」
春日井の家族にそういって別れると,
「わたしたちも後で追いかけます」
そう返事か返ってきました。飯田方面から来たと言われてましたが,下栗方面に南下するのはやめたようでした。
飯田からは153号線で名古屋方面に南下しました。
道の駅「信州平谷」では,バイク大好きのおじいちゃんと話ができました。
「あっちに止まってた三輪のやつ,300万ぐらいかって聞いたら,その倍だって。600万! 1800ccだってよ」
興奮気味にしゃべりまくられました。駐車場の真ん中にゴールドウィングのパイクが止まっていました。
わたしもちょっと注目していましたが,注文生産だからそれぐらいになっちゃうんだろうと思いました。
次の道の駅「どんぐりの里いなぶ」では,珍しくわたしの方から声をかけました。
駐車場で休憩していたら,さっき見た,特徴あるバイクが止まっていたからです。ホンダ・CT110です。
実はこのバイク,しらびそ高原で見たバイクと同じバイクでした。
珍しいバイクであるだけでなく,西尾ナンバーも同じでした。
「さっき,しらびそ高原に見えましたよね」
そう声をかけました。人違いではありませんでした。見知らぬ人と偶然2回会うというのはそれだけで心がちょっとだけ豊かになるような気がします。
稲武からは猿投グリーンロードを経由して帰ってきました。走行距離412.5kmでした。